花と卒業写真

恋人に花を贈られるというのは、ドラマか映画の中でしかないことだろうと信じている私は、正直、男性に花をもらった記憶はとんとありません。
唯一自分の中でちょっぴりほろ苦い思い出といえば、大学を卒業するときに、ある男の子からもらった小さな花束です。彼は1年早く卒業していた友達で、すごく親しいというわけでもなく、また自分の気持ちもはっきりとした恋愛感情というわけでもなく、ただ学生生活を通して、ぼんやりと心を寄せていた相手でした。卒業式が終わって、外に出ると、門のところに彼が気障なポーズで立っていて、わざとらしく気障に私の名前を呼んで、目の前で片膝をついて「おめでとう」といって、小さな黄色い花束をくれたのです。
もちろん本人は完全にふざけていて、私も大笑いして受け取りましたが、その花は枯れかかっても捨てられず、ドライフラワーにして、その日の写真とともにその後何年もずっと持っていました。